副社長には内緒!〜 Secret Love 〜
「つい甘えちゃった。ごめんなさい」
乃はなんとか笑顔を作ると、誠に向けた後、言葉を続けた。
「これ以上、甘える訳にはいかないね」
少し寂しそうな顔をすると、そっと誠の胸から離れようとして身を起こした。

そんな莉乃を誠は、さらに強く引き寄せると力強く抱きしめた。
「俺で役に立つなら、迷惑じゃないから。いくらでも甘えればいいよ」

優しく、真剣なその言葉に莉乃は涙が溢れた。

「うっ……」

誠は莉乃の涙を手で拭うと、しばらく莉乃を優しく抱きしめた。

「なあ莉乃、抱きしめる事は、その元カレから俺に上書きされたわけだよな」

誠はその男が莉乃に残している傷が許せなかった。

「え?そうだね」

莉乃は誠の問い掛けの意味が解らず、誠を見上げた。


「莉乃。キス……していい?」

(キス!!!??)

莉乃はいきなりの誠の言葉に、自分がどんな顔をしているのもわからず狼狽した。

「嫌だったらすぐにやめるから。その男の影を莉乃から消したい」

誠自身も、むちゃくちゃな事を言っているのは解っていた。
莉乃に告白をしたわけでも、付き合ってるわけでもないし、こんな事を言える資格がない事は百も承知だった。
でも、どうしても、莉乃にもう少し自分を覚えて欲しかった。

他にも大丈夫になる男がこれから出てくるかもしれない。そんな思いでいっぱいだった。


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