副社長には内緒!〜 Secret Love 〜
(誠……予約してくれてたんだ)

莉乃の心の声が聞こえたかのように、
「土曜日で来れないって可能性が無いと、安心して予約できたよ」
と誠は笑って言った。

42階のフレンチレストランに入ると、東京の街を一望できる席に案内された。どの席もクリスマスディナーを楽しむカップルで溢れていた。

店内に飾られたクリスマスツリーも美しく輝いていた。

「すごい素敵……。一度来てみたかったの」

「知ってたよ」

窓の景色に目を向けて、嬉しそうに笑う莉乃に誠は言った。

クリスマスディナーはどれも絶品だった。

「本当に美味しかった」

「よかった」

そこへ、コーヒーと2人で食べるのにちょうどよい大きさのケーキが運ばれてきた。
沢山のイチゴとろうそくとリースがのったクリスマスケーキだった。

「かわいい!いちごいっぱい。」

ついついはしゃいでしまい、莉乃は慌てて声のトーンを落とした。

そんな莉乃の嬉しそうな顔を見て、誠も微笑んだ。
「本当に、イチゴが好きだな」

ろうそくの灯りを楽しんだ後、スタッフに切り分けてもらったケーキが運ばれてきた。

幸せそうに食べる莉乃を誠は嬉しそうに見つめた。
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