僕と家族と逃げ込み家
健太と幸助の笑顔は、今日のような光り輝く太陽の下が良く似合う。

だが、叔父は容赦なく降り注ぐ光を避けるように、なるべく日陰に入ろうとする。

叔父の気持ちも分かるような気がする。気温が半端なく上がったからだ。半袖でも十分なほどだ。

「春太、俺はここで休んでいるから、お前ら、遊んで来い」

食事が済むと叔父はそう言って恨めしげに太陽を見る。

「パパとママもここで休んでいるよ。君達も遊んでおいで」

岡崎パパがウーンと伸びをする。相当お疲れのようだ。

大人達は家族のため、日々、頑張っている。平日然り休日もだ。肉体的に疲れているだろうに、家族の笑顔のためにリフレッシュな時間を設ける。だが、それは家族のみならず自身の喜びでもあるのだろう。

僕もあと数年すればこんな風に家族サービスに努めるんだろうか?
今は全くその姿を想像できないが……と思ったところで、またキスもまだだったことを思い出す。

チッと舌打ちをすると、ブルンと頭を振り、嫌な思いを振り払うように勢い良く立ち上がる。

「行くぞ!」
「キャッホーイ」

幸助の不思議な掛け声に釣られ、健太も飛び上がるように立ち上がる。

「茜ちゃん、ジェットコースターに乗った? 乗る?」

女子たちは女子たちですでに盛り上がっていた。

「まだ、二つ乗ってないの。付き合ってくれる?」
「当然!」

――お前、また乗るのか! ギョッと恵を見ると同時に胃液が逆流する。
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