JUNP!!
音が無くとも、話は出来る。
友達なら、どんな事でも分かり
合っているはずだから……

葉崇は黙っていた。

「葉崇、どうした?」黙り込む
葉崇に気づいた斗和と音緒。

「いや…別に…」葉崇は静かに
そう言い、腕を組んだ。

「…何かあったら言えよ…
隠し事は無しだろ」葉崇はそう
小さな声で言った。

音緒と澪は小さく頷き、葉崇の
言葉が意味することを分かって
いた。


斗和に別れを告げ、葉崇達が
向かったのは保育園。

「優詩,迎えに来たで!!」誠が
男の子を抱き上げた。まだ3歳
位の小さな男の子。

「ありがとうございました。
遅くなってすいません」
男の子の担任へ音緒は小さく
頭を下げた。

音緒が慣れた手つきで男の子に
靴を履かせ,誠と男の子は手を
繋いだ。

「先生,さよなら!!」男の子は
誠と音緒の手を引き,音緒は
担任へもう一度頭を下げた。


「ただいま!!」音緒の暮らす
マンション。ここに澪も居候
している。

男の子の名前は優詩。

優詩の両親は離婚し,幼い優詩
は父親に預けられた。しかし、
すぐに父は育児を放棄した。
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