JUNP!!
「あぁ…退屈な時とか髪触る癖
とか眠くなると黙る癖とかな」
誠に続いて,音緒も言う。

「…単純だな,澪」追い討ちを
かけるように葉崇が言った。

「んな!!皆,俺の事知り過ぎだ。
逆に怖いぞ!」澪は笑い,音緒も
誠も笑い声を上げた。

互いに相手の事を分かり合って
いる,大切な友達。

こんな彼らと一緒にいれる事が
葉崇には幸せだった。
彼らがいなかったら,自分はどう
なっていたんだろう……


彼らが向かった先は学校から,
バスで10分程の所にあるかなり
大きな病院。

「おっす,斗和!!」明るい声で
澪が部屋に入った。

白いベッドに座る,色白な少年。
葉崇達の姿を見ると,嬉しそう
に笑顔を見せた。

「斗和。僕,上手くなったやろ?
必死に練習したんやで」誠は
そう言った。

生まれつき,耳が聞こえない斗和
と彼らの会話手段は手話。
斗和と話す為,誠は今まで必死に
手話を勉強してきた。

「な,斗和!ボクシングと空手
ならどっちが強いんだろっ!
誠,ボクサーだったんだって!!」
澪が言った。

『澪は活発だなぁ。でも,誠の
方が強そうだぞ?』
斗和が笑った。
< 9 / 26 >

この作品をシェア

pagetop