JUNP!!
葉崇を置いて、音緒達は倉庫へ
向かった。

「…分かってるやろ、澪」誠が
澪の肩を叩き、言った。

「約束は破らない。いいな?」
音緒が確認し、2人は頷いた。


5時になった。
優詩はお泊まり会で、葉崇は
高杉に呼ばれ、学校へ行った。

「葉崇!!」昇降口にいると、不意
に声をかけられた。

副担任の爽悟だ。

「荒高の生徒とうちの生徒が
喧嘩してるらしくて……
良かった。葉崇達やなくて…」

安心したのか、子供のような
無邪気な笑顔を見せた爽悟。
しかし葉崇は顔を強ばらせ、爽悟
を少しだけ見た。

「…音緒達だ…」葉崇は呟いた。



「神山がいねぇと、お前らは何も
出来ないんだろ?」佐伯が笑う。

薄暗い倉庫の中で音緒達は荒高
の生徒に囲まれ、倒れていた。

「…澪…分かってるやろ…」拳
を握りしめる澪に誠が言った。

「当たり前だ…優詩の為にも、
俺らは強くなんなきゃ……」澪
が弱々しく立ち上がり、笑った。

しかし、澪も誠も簡単に殴られ、
再び地面に叩きつけられる。

「桐谷!テメェが土下座でも
すんなら、許してやってもいい
けどな…どうする?」
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