「王女さまは男のコ?!〜両刀使いの執事は××〜
綺麗な女たちは、みなローレルの前に列をなしている。

そして、凛々し雄々しい男たちは、みなローレルの妹、であるアーシャの前に群がっていた。

時折、ローレルに近づいてくる王子がいても、それらはみなアーシャを狙っての策略だった。

「妬けます?」

キルクークが、いじわるげに背後から耳打ちする。

ローレルは「別に」と返して肘をついた。

「僕の前に男が列をなしたら不気味だろ。」

ぷんと頬を膨らませて呟く。

香水くさい女たちが並んだって、、、嬉しくないのは事実だけどさ・・。

こんな宴、だから、何も楽しくないんだ。

父さんも母さんもわかっているはずなのに・・。

アーシャだけでいいじゃないか・・。

「兄さん、少しは楽しんでる?」

ふてぶてしく椅子に腰掛け肘をついたローレルを見かねてか、美しい衣装を身にまとったアーシャが小声で言った。
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