「王女さまは男のコ?!〜両刀使いの執事は××〜
「こうしてすぐに食べられてしまいますよ。」

キルクークの唇が近づいてくる。

それを察してローレルは顔を背けた。

やだ

やだやだやだやだ

「ローレル、こちらを向いて。」

「っ嫌だっ!」

「もう逃げられませんよ。大丈夫、口付けだけです。」

口付けだけってー

男同士で?

そんなのー

「いっ嫌っファーストキスなのよっ!?」

ローレルは叫んでキルクークを横目に睨んだ。

思わず涙がこみ上げてくる。

たじろいだのか停止したキルクークにもう一度言った。

「ファーストキスは・・ちゃんと女の子の時にしたい・・。」

せめて、こんな感じで奪われるなんて嫌だー。

今朝だって、待ってくれると言ったのに…言ったのに…!!!

身体が震える。

キルクークの手が痛いぐらいに自分の腕を押さえつけていて・・怖い・・。
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