どうも、うちの殺人鬼(カノジョ)がお世話になってます。

右のナイフで肉を切り、左のフォークで突き刺し、市木の口まで運んだ。


「ほら、口開けろ」


素直に、あー、と口を開ける市木。

無知で無感情な奴だが、ちゃんと言う事聞いてくれるな。

肉を口に入れた瞬間、市木の目が輝いた。


「……おいひい、でひゅ!じりゅしゃま、あにょ……!」

「こら、美味いのは分かったから、食い終わってから喋れ」


よく味わいながら、しっかり噛んで飲み込む市木。

やっぱりこいつ、面白いな。

思わず口元が緩む。

何かを教えれば教えるほど、新たな表情が見られる。

感動したり、慌てたり、困ったり。

下手なTVより楽しめる。


「時流様!これ、とっても美味しい……です!」

「そうか。感想なら作った真吹に言え。あと礼も言っとけ」

「はい……!」


隣に座る真吹に笑顔で礼と感想を言い、習ったばかりのたどたどしい動きでまた食事を再開させる市木。
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