【紫・長編】華押(hana oshi)
老師達が数名も居るのに…
シャラム・クーンは怖がりな子供だった。何が恐いって、火災による存在全ての焼却能力を秘めた、その意識を自在に操れない事、つまり全ての消滅が恐ろしかったのだ。
そして「火を司る」Rinは穏やかではなかった。決してガミガミ言うタイプではなかったが「御言葉」はシャラム・クーンには涙が溢れるモノしかなかった。
「誰が制御出来なかった」
「御前(おまえ)の落ち度はなんだ」
「こんなことも、できないのか」
「八年の歳月は無意味だな」
その四つ言葉だけで…
恐がりなシャラム・クーンには事がたりた。
そしてシャラム・クーンが本当に恐れてたのは、彼を指導し、全ての存在を護るのは、皆、死期の近い高齢の老師ばかりだったから…
シャラム・クーンは怖がりな子供だった。何が恐いって、火災による存在全ての焼却能力を秘めた、その意識を自在に操れない事、つまり全ての消滅が恐ろしかったのだ。
そして「火を司る」Rinは穏やかではなかった。決してガミガミ言うタイプではなかったが「御言葉」はシャラム・クーンには涙が溢れるモノしかなかった。
「誰が制御出来なかった」
「御前(おまえ)の落ち度はなんだ」
「こんなことも、できないのか」
「八年の歳月は無意味だな」
その四つ言葉だけで…
恐がりなシャラム・クーンには事がたりた。
そしてシャラム・クーンが本当に恐れてたのは、彼を指導し、全ての存在を護るのは、皆、死期の近い高齢の老師ばかりだったから…