桜の季節、またふたりで
インターホンが鳴って、エントランスのロックを解除した。


竣くんが部屋にあがってくる前に、玄関のドアを開けて顔を出して待っていた。


「美春、なにやってんだよ」


エレベーターホールの方向から、竣くんが歩いてきた。


「えっと、その・・・待ちきれなくて」


「なんだそれ、入っていい?」


「どうぞ」


ドアが閉まったとたん、狭い玄関で抱きしめられた。


「美春、これからずっと一緒だから」


「うん」


「キスしていい?」


「うん」


竣くんの手の力がゆるんで、視線が交わって、唇が重なった。


「やっと、美春にキスできた」


「私も、嬉しい」


「パスタって、もうできてんの?」


「うん、あとはゆでるだけ。


あっ、先にお風呂入る?」


「いや、先に美春を食べたい」


「えっ?」


「冗談だよ、仕事あがりだからシャワー浴びるな」


竣くんは、前と同じように優しく髪をなでてくれた。


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