桜の季節、またふたりで
「タオル置いとく・・・キャッ」


脱衣所をのぞいたら、竣くんは裸の背中を向けて立っていた。


「ご、ごめんね!」


引き戸をあわてて締めたら、肝心のタオルを渡しそびれた。


「美春、タオルくれよ」


声が聞こえて、引き戸を少しだけ開けてタオルだけ差し出した。


「俺の裸、初めてじゃないだろ」


「うん、そうなんだけど、なんか緊張しちゃって」


バスタオルを腰に巻いたまま、竣くんは出てきた。


引き締まった上半身に、ドキドキしてしまう。


「美春は、シャワー浴びる?」


「うん、入ろうかな」


「なんだ、一緒に入れば良かったな」


「狭くて無理だよ、少し待ってて」


「なんか飲んでいい?」


「うん、冷蔵庫の好きなの飲んでいいよ」


シャワーを浴びながら、カズとコーヒーを飲んだ時のマグカップやケーキ皿をしまっていなかったことを思い出した。


冷蔵庫を開ける時に、絶対に視界に入ってしまう。


気が気じゃなくて、あわててリビングに戻った。




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