桜の季節、またふたりで
「お待たせ」


「なんだよ、裸にバスタオルかと期待してたのに」


「そんな期待にはこたえられないよーだ」


「美春」


「ん?」


「髪乾かせば?」


「うん」


本当は、もしかしたら誘われるのかも、って内心ドキドキしていた。


ドライヤーで髪を乾かしてリビングに戻ると、竣くんは来た時と同じ服を着ていた。


「ごめんね、着替えがなくて」


「気にすんなって」


少し、気まずい沈黙を打ち破るように、


「パスタ作っちゃうね」


キッチンに向かおうとしたら、腕をつかまれた。


「竣くん?」


「やっぱ、我慢できない」


竣くんの胸に引き寄せられた。


竣くんの香り。


竣くんの胸の音。


私も、この瞬間を、待ってたんだ。


ほぼ同時に、唇を求めた。


ベッドに優しく寝かされて、数年ぶりに体を重ねた。


竣くんのすべてがいとおしくて、竣くんが入ってきて、幸せの絶頂を感じた。


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