イケメン小説家は世を忍ぶ
私には彼がわざと指輪を見せつけているように見えた。

それを見たせいか、急にマックスは大人しくなる。

「……ジェイク……殿下に水と食事を持って来い」

マックスが仏頂面で言うと、私と同じ年くらいの緑の瞳をした兵士がペットボトルの水とパックに入った非常用の食料を持ってきた。

先生が私にはわからない言葉でそのジェイクとかいう兵士に何か言うと、その兵士は崇敬の眼差しで先生を見て敬礼し、操縦席のある方へ消えた。

……何だろう?

桜井先生の登場で、ここの空気が変わった。

ここにいる人達って……みんな先生の敵じゃないの?

今の状況に戸惑っていると、桜井先生は優しく私の身体を起こして、日本語で声をかけた。
「怖かったな。もう大丈夫だ」

人の声がこんなにも温かいと感じたのは初めてだった。
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