イケメン小説家は世を忍ぶ
さっきまで怖くて……震えていたのに、身体が急に軽くなって温かくなったような気がする。
助かったとはまだ言えないけど、先生が現れてくれて心が落ち着いた。

「先生……」

小声で呟くと、桜井先生の服をギュッと握る。

「私のせいで……ごめんなさい」

ずっと言いたかった言葉を先生に伝える。

「謝るな。巻き込んだのはむしろ俺の方だ。お前は必ず守るから心配するな」

ポンと桜井先生は私の頭の上に手を置く。

「先生って……バカでしょう!私の心配なんかしないで下さい。もっと自分や……セピオンの心配をしてください。先生は……ここにいちゃいけない」

今のセピオンに必要な人だ。

桜井先生の目を見て必死に訴えているのに、彼はそんな私をいつもの調子でからかう。
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