イケメン小説家は世を忍ぶ
「こんな小さな女の子に心配されるようじゃ、俺もまだまだだな」

先生の台詞にカチンときて、反論する私。

「小さな女の子じゃありません!もう立派な大人です!」

「そうそう。その意気だ。お嬢ちゃんは沈んでるより、そうやって怒っている方がいい。
でないと、俺の調子が狂う」

「それじゃあ、いつも怒ってるみたいじゃないですか!先生が怒らせてるんですからね」

先生に噛みつくと、私はそっぽを向いた。

「そうだな。面白くて、つい」

クスッと桜井先生が声を出して笑うが、その笑い声を聞いて気づく。

……先生に上手く乗せられた。

私を元気にさせるために……わざとからかったんだ。

意地悪な人っ思ってたけど……やっぱり桜井先生は優しいんだと思う。

「そう怒らずに、これを飲めよ。喉渇いただろ?」

桜井先生は、ペットボトルの水を私の手に預ける。
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