俺に彼女ができないのはお前のせいだ!
☆
食卓には、湯気をあげるポテトグラタンとオニオンスープ。
その先には、気まずそうな表情でそれらを口にするアリサがいる。
アリサは夜ご飯を俺の家まで持ってきてくれた。
俺は、疲れ×(バイト+エナさん+α)状態だったため、アリサ飯をガツガツ食べていた。
「グラタン美味いじゃん。本当にホワイトソースから作ったの? レトルトのやつじゃないの?」
「1から作ったよ」
「スープもファミレスのスープバーのやつより全然美味い。これなら100円くらい金出せるわ」
「んー。全然褒められてる気がしないなぁ」
テンションが低いアリサを励まそうとしたものの、全然伝わらない。
飯はマジで美味かったため、俺はぺろりとたいらげた。
「良ちゃんこれで足りる? おかわりないけど大丈夫?」
「うん。ちょうどいいわ。あとご飯一杯くらい食えるけど」
「それ足りてないってことじゃん」
「お菓子ストックあるから」
微妙にかみ合っていない会話をしつつも、久々の2人きりの空間は悪いものではなかった。
アリサがめんどくさい話題を出してこないから、だと思う。