俺に彼女ができないのはお前のせいだ!







食卓には、湯気をあげるポテトグラタンとオニオンスープ。


その先には、気まずそうな表情でそれらを口にするアリサがいる。



アリサは夜ご飯を俺の家まで持ってきてくれた。



俺は、疲れ×(バイト+エナさん+α)状態だったため、アリサ飯をガツガツ食べていた。



「グラタン美味いじゃん。本当にホワイトソースから作ったの? レトルトのやつじゃないの?」


「1から作ったよ」


「スープもファミレスのスープバーのやつより全然美味い。これなら100円くらい金出せるわ」


「んー。全然褒められてる気がしないなぁ」



テンションが低いアリサを励まそうとしたものの、全然伝わらない。


飯はマジで美味かったため、俺はぺろりとたいらげた。



「良ちゃんこれで足りる? おかわりないけど大丈夫?」


「うん。ちょうどいいわ。あとご飯一杯くらい食えるけど」


「それ足りてないってことじゃん」


「お菓子ストックあるから」



微妙にかみ合っていない会話をしつつも、久々の2人きりの空間は悪いものではなかった。



アリサがめんどくさい話題を出してこないから、だと思う。


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