俺に彼女ができないのはお前のせいだ!
まあそうだよな。いろいろあるといったん落ち着いて考えたくなるもんだよな。
しょうがない。朝ごはんでも準備しながら待つか。
「……わかった。じゃあ落ち着いたら連絡して」
そう伝え、自分の家に戻ろうとした。
しかーし!
ガチャ、とドアノブが動いたかと思えば、
ギィッ! と猛スピードでドアが開き……
「ぶっ!」
同時に、顔面に衝撃が走った。いってぇ……。
じんじんと痛む額をさすり、扉の先をのぞきこむ。
アリサは息切れをしながら、右足を宙に浮かせていた。
うわ、こいつ、ドア蹴ったのか? てか、パンツ見えるぞ!
なぜか彼女はめちゃくちゃに怒っていた。
今にも殴りかかってきそうなほど、俺を鋭くにらみつけている。
「良ちゃんのハゲ! チビ! 直毛野郎!」
「おい、お前、それ全部逆っ!」
彼女の言動が意味不明すぎて、怒りがわいてきたものの、
近所の老夫婦の姿がアスファルトの先に見えたため、急いでアリサの家に入り、ドアを閉めた。