俺に彼女ができないのはお前のせいだ!
仕方なく、右に寄せていた視界を正面へと戻した。
いつの間にか、同じ、いや、俺の方がアリサよりも少しだけ目線が高くなっていた。
「や、勉強、教えて。今やばいから」
「なにそれ。人にお願いする言い方じゃないよぉ?」
アリサはただでさえ大きな目をさらに見開き、ぐっと顔を近づけてきた。
なぜ急に俺のパーソナルスペースに入ってくるんだ!
しかも俺が弱みを見せると絶対につけこんでくる。これ恒例行事。
だがアリサの教え方は分かりやすい。背に腹は代えられない。
「…………いします」
「聞こえなーい」
「お願いします。教えてください」
「あははっ、いいよ。じゃあ夕方ごろ家庭教師しに行くね」
じゃあね~、と言って、アリサは俺と逆方向へと歩き出した。
「ちっ」
朝から鼓動がうるさい。なぜだ。
1年早く高校生になったからって子ども扱いするんじゃねーよ。
俺の方が背高くなってるのに。