俺に彼女ができないのはお前のせいだ!
落ち着かせようと思い、彼女の頭に手を置こうとしたが。
ディフェンダーをかわす名フォワードのごとく、するりと体をそらされる。
「本当にごめんなさいっ!」
そう言って、ゆみりはカバンを片手に走り去った。
「わ、待って」
反射的に俺もその後姿を追いかけた。
ゆみりは、ガラッと玄関ドアを開け家を飛び出す。
俺もスニーカーのかかとをつぶしながら外へ出た。
しかし、間に合わなかった。
既にまっすぐ続くアスファルトの先にゆみりはいた。
ノーヘルのまま自転車を激こぎしているらしく、すぐに姿が小さくなる。
「はぁ、はぁ」
早ぇ……。俺も超ダッシュしたんですけど。
頭の整理がつかないせいで、息切れをしながら膝に両手を置くことしかできない。
その時――
「ねぇ、今、女の子が泣きながら出てきたよね……?」
聞こえてきたのは、よく知っている声だった。
さっき、ゆみりに迫られた時にも、
頭の中に聞こえてきた――。