俺に彼女ができないのはお前のせいだ!


長いまつげに囲まれた、大きな目が俺を攻めてくる。


俺の家で、部屋で、今、アリサと2人きり。



なぜか、


『俺だって男だよ(キリッ)』『キャッ!』


というようにアリサをベッドに押し倒す映像が頭に浮かんでしまう。



もちろんそんな年下イケメンの覚醒モード的な行動はとれないのだが。


再び、欲望俺と冷静俺が「ファイッ!」と合戦を始めようとしていた。



しかし、先手を打たれた。



「あはは。良ちゃん今、超ドキッとしたでしょ? 分かりやすーい。かわいいー」



目の前で思いっきり笑われてしまった。イラッとした。



椅子に座っている俺と、立ったまま俺をのぞきこんでくるアリサ。



光を反射して茶色を増した髪の毛が、一束、俺の目の前に落ちてくる。



意識的にか、無意識かどうかは分からない。


その髪の束を俺はつかんでいた。



「これ……染めた?」


「うん。ちょっとだけ」


「黒いままの方が似合う」


「え」



アリサは俺から離れようとしたため、つかんだ髪の毛がぴんと張った。


痛かったのか、「つっ……」と彼女は軽く声を出す。



構わず俺はアリサをにらみ続けた。


すると、彼女は気まずそうに視線をそらし、弱々しい口調でこう言った。



「……良ちゃんがそう言うなら、黒に戻そうかな」



さっき生じたイライラが鼓動と一緒に大きくなる。

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