俺に彼女ができないのはお前のせいだ!
「なにそれ。自分で染めようって決めたんでしょ。何で俺の意見そのまま飲み込もうとすんの?」
「…………」
黒が似合うと言っておきながら、黒に戻そうかなという言葉に反抗する。
心がぐちゃぐちゃしているせいで、何を言いたいのかが自分でも分からない。
ただ、その髪の毛からいい匂いがしてることに気がつき、俺はぱっと手を離した。
トイレの消臭剤とも、洗濯の時の柔軟剤とも違う。
甘いんだけどどこか爽やかで、心を締め付ける、ローズっぽい香り。
しかも、彼女の首元がゆるいデザインのTシャツの奥。
胸の谷間も見えていることにも気がついてしまった。
――ちっ。どこ見てんだ俺は。
急いで、机に置いた教科書へと顔をそらした。
視界に飛び込んできたのは、数学の2文字。
そうだ、今俺がしなきゃいけないことは勉強だ。萎える、萎えるぞー!