今夜、愛してると囁いて。
「……あとはオレが面倒見るんで、お引き取りください。ここまで連れて来てくれてありがとうございました」
「あ、ああ……」
伊月くんは健人からあたしを奪い取るようにして乱雑に抱き込んで、健人から受け取ったあたしのカバンの中からキーケースを取り出して鍵穴に突っ込んだ。
一気に酔いが冷めた頭。
別に、どこの誰といつ何をしていようと、伊月くんは恋人ではないんだから怯えたりする必要はないんだけど、あたしは酷く狼狽していた。
「誰ですか?アレ」
「……っ、元カレ」
伊月くんが靴を脱いで、廊下に上がってあたしの靴も脱がせて玄関に投げ捨てる。
「ふうん」
興味なさそうに鼻で笑った伊月くんは、そのままあたしを風呂場に引きずっていく。