甘い罠には気をつけて❤︎ 俺様詐欺師と危険な恋 

   「それに男爵夫妻は今、取り込み中だ」

   「別に、”取り込んで” なんていないじゃない」


 腰に回されたままのユアンの腕を、すごく気にしながらもフィーネが
 そう言うと、



   「そうかな」



 と、ユアンはさらにフィーネを引き寄せた。

 そして、ふわっと足が床から離れる。

 ユアンはフィーネを横抱きに抱き上げると、応接室の隣の寝室へ向かって
 歩き始めた。



   「え、なに?」


 フィーネの戸惑いの声を無視して、ユアンはフィーネを寝室の広いベッド
 まで運ぶと、すぐにフィーネの細い腰をまたぎ、顔横に両手をつく
 


   「ゴードン氏が、無理やり部屋にあがってきたら困るからね」

   「?...... ?」

   「だって、今は取り込み中だから」



 狼に追い詰められた野ウサギのように、ベッドの上でユアンに見下ろされる
 格好になって、フィーネはやっとユアンのいう取り込み中の意味がわかった。

 そ、そ、そんなことを、逢えない言い訳につかったの!?
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