甘い罠には気をつけて❤︎ 俺様詐欺師と危険な恋
夕食はいらないと、部屋にこもったフィーネのところに
セオが、スープの皿を両手に持ってあらわれた。
「俺もここで食べるからさ、少しだけでも食べないか」
そうして小テーブルに湯気の立つスープの皿を置く。
「ユアンのお世話はいいの?」
「なにも毎日、従者に給仕させて食べる必要はねぇだろ、
だいたい、あいつが主人で俺が召使の役だからって
顎で使いすぎだってーの」
そう言いながらセオは、何かにパンチを喰らわせるように拳を
振り回したが、フィーネが黙ったままなのを見てとると、拳を開き
フィーネの手をむんずとつかみ、無理やりスプーンを握らせた。
そして自分は皿を持ち上げ、ずずっと音をたててスープを飲む。
「うん、美味い」
そんなセオの様子に、フィーネはやっと少し笑うと、自分もスプーンを
動かした。
「美味しい」
「だろ?」
ゆっくりとスープを口に運んでいたフィーネが
「ねぇ、セオ、ユアンは今度はなにを企んでいるの」
と問えば、セオは乱暴に口の端をぐいっと拭いて、かたんと皿をテーブルに
置いた。