甘い罠には気をつけて❤︎ 俺様詐欺師と危険な恋 

 トンと、トレイをテーブルに置き、


   「お待たせしました」


 と言うと、酔った三人の男がこちらを向いた。

 男達は酒で濁った目で、フィーネを上から下まで眺めまわし、一人が


   「知らない顔だな」


 と言うと、もう一人がフィーネのお尻を撫で上げた。

 ぞぞっとフィーネの身体に鳥肌がたつ。


   「やだっ、やめてください」


 身をかたくし、すぐにテーブルを離れようとしたが、行く手を阻まれ、
 手首を強く掴まれ、逃げることができなくなり、強く手を引かれた
 フィーネは、一番大柄な男の膝の上に座らされてしまった。
 
 後ろから差し入れられた男の指が、フィーネの胸に伸び、酒臭い息が首筋に
 かかる。


   「いやっ」


 フィーネは抵抗したが、丸太のようなごつい腕は、押しのけようとしても
 びくともせず、男は無遠慮にフィーネの胸に触りながら、


   「小さな胸だな」


 と文句を言った。

 悪かったわね、気に入らないなら離してよ!

 疲れた身体には力が入らなかったが、なんとか力をふりしぼって、フィーネが
 そう言おうとしたとき、ドンと剣呑な音を立てて、何かがテーブルの上に
 置かれた。

 男の手はとまり、フィーネもあわせてそこにいたみんなが、一斉に音のした
 ほうに顔をむける。

 そこには、美しい顔に完璧な笑みをうかべたユアンが、テーブルの上の
 ウイスキーの瓶に手を添えて立っていた。


   「ローレスウイスキーの30年もの この店の最高の酒だ」


   

 
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