【短】エイプリルフールは別れの日
「もしかして、誘ってくれてます?」
「あ、いえ! その! ネックレスが心配でですね……」
嘘。
「じゃあ、直してくださいますか?」
「はい! 喜んで。あ、でも予定は大丈夫ですか?」
「ええ。予定は済んだところですから、暇です」
嘘つき。
本当は予定なんてなかったもの。
「よかった。カフェまで案内します」
「お願いします」
「たまたまネックレスを落としたのを見たので」
嘘。
この日、あなたはいつも私を見ていた。毎年、話しかけるきっかけを欲しがっていたのを知ってる。
「助かりました」
「どういたしまして」
「まさか留め具が壊れるなんてね」
嘘つき。
本当はわざと落としたの。