シグナル
「上手いじゃないか!
たった二日でここまで上手くなればたいしたもんだよ…」
「ほんとう?」
「あぁ本当だ!
ただし今はまだ止まっている的を撃っているだけだ、
このままではまだ実戦で通用するレベルではない…」
「もっと上手くなるには、
どうすればいいのかな?」
「それには実戦を重ねて、
経験を積むしか無いだろう…
それまではとにかく練習だ!」
「はい!」
武彦はそう返事をすると、
訓練を再開した。
テリーの教え方は、
ラルフのスパルタの様な厳しいものではなく、
丁寧で的確にアドバイスし、
相手の良いところを褒めて伸ばす教え方であった。
その後夕暮れまで訓練を続けた二人だが、
暗くなるにつれ、
少しずつ的が見え難くなっていく。
そして陽が西の空に落ち、
辺りが暗くなった頃訓練を終了した。