シグナル
そこへようやく美智代が到着した。
美智代が玄関の総合案内のあたりで暫く待っていると、
そこへ青木が声をかけて来た。
「坂田さんですか?」
「はい、そうですが…」
「お待たせしました…
刑事課少年係の青木と言います!」
不安げな表情で青木に尋ねる美智代、
「本当にうちの武彦なんでしょうか?」
「とにかく確認してみてください」
「分かりました」
「ではこちらです」
青木の案内についていく美智代。
その後ある部屋にたどり着いた。
そこではさまざまな警察官が仕事をしており、
その一番奥に武彦のいる応接室があった。
「まず先にここから確認してみてください、
一番奥の応接室にいる少年です、
どうです、武彦君ではありませんか?」
確認を求める青木に対し、
「間違いありません、うちの武彦です!」
「本当に間違いありませんか?
見えにくければもう少し近寄れますが…」
「大丈夫です!
うちの武彦に間違いありません」
「あの…あの子どうしてここにいるんですか?
何か警察のお世話になるような事でもしたんですか?」
青木が応えにくそうに語り始める。