シグナル

「実は…彼に刺された人が二名亡くなっているんですよ!」

「そんな…あの子が人を殺すなんて…」

この状況に耐えきれなくなった美智代は、

武雄に連絡をして来てもう事にした。


「もしもしあなた!」

「おまえか…武彦はどうだった?

会えたんだろ?」

次第に涙が溢れてきた美智代は、

泣きたい気持ちを必死に堪えながら応える。


「今警察にいるの、

どうしよう…

あの子大変な事件を起こしてしまって…」

「なんだ事件て…

あいつ何かやったのか?」

「大変なのよ、

どうしてこんなことになったの?

私どうしたら良いか…

おねがい今すぐ来て!」

美智代はその場で泣き崩れてしまった。


「いったい何があったんだ、

ちょっと待ってろ!

今行くから…」

仕方なく武雄は、

この後の授業を同僚の講師に代わってもらうと、

早々に仕事を切り上げ、

すぐに富士見署へと向かった。

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