シグナル
「ごめんなさい間違えました、
うちの子じゃありません!」
「ですが先程しっかり確認を取って頂いたじゃないですか…」
「違うと言っているでしょ!」
そう言い放つと、
そのまま帰ってしまった。
困惑しつつも今ひとつ腑に落ちない青木は、
念の為と思い、
武雄にも確認をとって貰う事にした。
「ご主人…念の為確認していただけますか」
「けどすでに妻が確認して、
うちの子じゃない事が判ったんじゃないですか?」
「ですが他に問い合わせも無いですし、
それに奥さんも一度は間違いないと言ったもので念のため…」
「分かりました、
取り敢えず見てみます…」
「そうですか、ではこちらです…」
案内する青木の後ろをついていく武雄。
だがこの時武雄は、
こんな所に武彦が居るはずもなく、
見ても無駄だと思っていた。