シグナル

「坂田さん!来て下さったんですね」

この時の武雄は、

大変申し訳なさそうに終始俯いており、

青木の顔を直視出来ずにいた。


「すみません刑事さん、

申し訳ありませんが、

もう一度あの子の姿を見せていただけませんか?」

「ええ、良いですけど…

奥様は一緒じゃないんですか?」

青木はこの時、

自分の考えが正しかったと確信する。


そして青木と安藤に案内され、

再び武彦の姿を確認した武雄は、

青木と安藤に我が子である事を伝える。


「間違いありません…

息子の武彦です!」

「やはりそうでしたか…

でもどうして、

先程は息子さんではないと言って、

帰ってしまったんですか?」

そう問いかける青木に武雄が切り出した。


「実は…一度目の確認の時に、

息子の武彦である事は分かっていました!」

「だったら初めから、

息子さんだって言えば良かったじゃないですか!

どうして息子さんではないと言ったんです?」

僅かに声を荒げながら言った安藤の言葉に、

武雄が俯いたまま応える。

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