一途な御曹司は、ウブなお見合い相手を新妻にしたい
恐る恐る顔を上げると、艶っぽい表情で私を見つめる彼と視線がかち合う。

それだけでまた顔の火照りが増した気がした。

「ミャー……どうしてそんなに顔が赤いの……?」

伸びてきた手が、躊躇いがちに私の頬に触れた。

南さんの手は思いの外冷たくて、その冷たさに一瞬瞼を閉じてしまう。


「ミャーも僕と同じ気持ちでいてくれていると、自惚れてもいい……?」

不安げな声で尋ねてきた彼。どうしよう、声が出ない。


なにも言えずにいると、南さんは少しだけ目を細めたあと、そっと私の頬にキスを落とした。

「え……南、さん?」

いっ、今、頬にキス……したよね?

微かに頬に残る唇が触れた感触に、口をパクパクさせてしまう。

けれど南さんは熱い眼差しを向けたまま。


「ミャーが悪いから。……可愛い反応するミャーが悪い」

「そんなっ……!」


反抗する余地も与えてもらえず、彼の手が優しく髪に触れながら再び頬、額、瞼、鼻……と順にキスが落とされていく。

そのたびに目を固く閉じ、胸がキュッと締め付けられてしまう。
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