一途な御曹司は、ウブなお見合い相手を新妻にしたい
その背中を見送りながら、なんとも言えぬ感情に包まれてしまう。
なんだろう、彼は。
どこか抜けているというか、憎めないというか……。
袖を捲り、食器を洗っていく。
お見合いのときもどこかズレている人だと思っていたけれど、それは今日ますます感じてしまった。
あれ……? そういえば今日、南さんはどうして家に来たのかな? あんなに最悪な別れ方をして、おまけに二週間なんの音沙汰もなかったのに、突然我が家を訪れたのはなぜ?
「……もしかして油断させておいて、帰り際に契約打ち切りを言うため……とか?」
自分で口にしておいて、サッと血の気が引いていく。
え、もし本当だったらどうしよう! 蛇口をしめて手を拭き、今の様子を覗き見る。
すると南さんはお父さんと一緒にお笑い番組を見て笑っている。
あぁ、お父さんってばすっかりリラックスしちゃっているし。でも南さんも楽しんでいるようだし、私の考えすぎ?
そのままキッチンへ戻り、残りの食器をすべて洗い終え、言ってしまった手前お茶の準備をして居間へ戻ると、すぐに南さんは気づき「おつかれさま」と声を掛けてくれた。
なんだろう、彼は。
どこか抜けているというか、憎めないというか……。
袖を捲り、食器を洗っていく。
お見合いのときもどこかズレている人だと思っていたけれど、それは今日ますます感じてしまった。
あれ……? そういえば今日、南さんはどうして家に来たのかな? あんなに最悪な別れ方をして、おまけに二週間なんの音沙汰もなかったのに、突然我が家を訪れたのはなぜ?
「……もしかして油断させておいて、帰り際に契約打ち切りを言うため……とか?」
自分で口にしておいて、サッと血の気が引いていく。
え、もし本当だったらどうしよう! 蛇口をしめて手を拭き、今の様子を覗き見る。
すると南さんはお父さんと一緒にお笑い番組を見て笑っている。
あぁ、お父さんってばすっかりリラックスしちゃっているし。でも南さんも楽しんでいるようだし、私の考えすぎ?
そのままキッチンへ戻り、残りの食器をすべて洗い終え、言ってしまった手前お茶の準備をして居間へ戻ると、すぐに南さんは気づき「おつかれさま」と声を掛けてくれた。