俺様社長に飼われてます。


「お前、なんか熱くないか?」

「熱い……?」


言われてみれば身体が熱い気がしてくるし、なんだか頭もぼんやりする。高山さんが私のおでこに手を当てると冷たく感じて気持ち良い。


「やっぱり熱があったか」


米袋のように担がれてベッドに放り投げられて、熱を測るように言われてみれば体温は38.1度。
機械音を鳴らす体温計を見下ろして、高山さんは困ったように笑った。


「たぶん……知恵熱です」

「知恵熱?お前にも考える頭があったのか」


さりげに酷いことを言われた気がしたけど、聞かなかったふりをして私は身体をゆっくり起こした。


「おい、大人しく寝ていろ」

「だって、ディナーは……」

「そんなのいつでも行ける」


わざわざホテルを貸し切りにしてくれたそうなのに、それを仕事のことで悩んで出した熱でキャンセルするなんて忍びない。

それに――。


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