叫べ、叫べ、大きく叫べ!
「はぁ……」
大きく息を吐いた私は今日も屋上の指定位置で寝転がって高い空を見つめる。
空は雲一つない。
真っ青の空が広がっている。
素直に綺麗だと思った。
それなのに、私の心はまた黒く染まりだしている。
朝から気分は最悪。
なんで保ってくれないんだろう。
朝起きてみれば、昨日のご機嫌な母はもういなかった。
『おはよう』の一言もくれやしない朝。
栞那は静かに家を出て行った。いつもならこんな状況でも明るく元気に言って行くのに。
それほどショックだったんだ。この切り替え様に。
「……っ、ばっかじゃないの」
少しぐらい私たちの気持ちも考えてよ。
機嫌が悪くなるのはたいてい父が絡んでる時。
だからといって、私たちを睨みつけたり、怒鳴ったりされても意味わかんない。
八つ当たりされても困る。
考えるだけで沸沸と怒りが込み上げてくる。
握った手に爪が喰い込み、もう血が出ても構わないくらいに力いっぱい握り締めた。