叫べ、叫べ、大きく叫べ!
もういっそ死んでしまえばいい。
だって、生きていたってつまらないだけだし。この状況から解放してくれるわけでもない。
この先もずっと母の機嫌ばかり伺って、罵声をあげられていくのなら、今すぐにでも楽になれる方法を選ぶべきなんじゃないかな。
握っている手に力がこもる。
すぐ下は、学校の駐車場。
もし今ここから飛び降りたら確実にあの赤い車は犠牲になるだろう。
きっと上部がぐにゃりだ。
そして、この高さだから私は即死……なはず。
助かりたくないな。
これで人生が終わるなら助かりたくない。
両親が離婚しないっていうなら、私は今すぐにでもこの世からいなくなりたい。
サァっと風が髪を撫でる。
このフェンスが無かったら今の風と共に落ちていたのかな、なんて思いながら私はそっと離れた。
栞那を1人にはできない。
そう思ったから。
彼女を、彼女の笑顔を私は守らなきゃ。
あんな家に1人にはさせられない。
私ってば自分のことしか考えてなかった。
私だけが辛いんじゃない。
妹も同じように辛い思いをしてるのに。
はぁ、と小さく息をつく。
駄目な姉でごめんと。
ちょうど昼休みを終了するチャイムが鳴った。