叫べ、叫べ、大きく叫べ!
――放課後。
今日は金曜日。
早く帰って、少しでも自分を労りたいのに先程のSHLで言った担任のせいで居残ることに。
だからいつもより長く感じるわけだ。
正直、家に帰りたくない思いが強くなってしまった私だけど、この居残りにはラッキーだと思っている。
教室には私含めて、6人。
女子4人、男子1人、そして私だ。
掃除ロッカー前に集まってるわけだけど、みんなの視線はチラチラと私を見ている。
……はいはい。分かってますよ。
呆れた声を胸の内に秘めて「あ、私やっとくから帰ってもいいよ」と言えば、「マジで!?」「ありがとう!」なんて待ち構えていたような台詞に嬉しそうに反応したクラスメイト。
まあ、こんな展開になると担任が言った瞬間に思ってたから。
そもそももう帰る準備までしてるくらいだから誰だって察しはつく。
教室を出ていく彼女らの声は嬉々としていて少しむかついた。
掃除なんてめんどくさいって思うのは彼女たちだけじゃないのに。本当は私だってやりたくない。
でもこれでやっと一人になれたと思うと少し気分が穏やかだ。
ロッカーから箒を取り出し、床をはいていく。
うちの高校は土足OKだから床拭きしなくていい所が楽。
ササッとはいて、チャチャっとちりとり……。
「園田さんて偉いよね」
下から私を見上げるクラスメイト(男子)が私に笑いかけた。