叫べ、叫べ、大きく叫べ!
「はい」
「園田さんていつも外見てるよね」
「……はい、それが何か、」
「いや、なに見てるのかな〜って」
ギュッと袋を閉じた彼はしゃがんだまま私と視線を合わせるように歩み寄ってくる。
ゲッ
そんな声を心の中で呟いて、私もギュッと袋を閉じると彼から遠ざかるように立ち上がる。
都波も追うように立ち上がるから結局変わらず距離が縮まるだけになってしまった。
「別に何かを見てるという目的はないよ」
「そうなんだ」
「うん」
あまり話が続かない。
彼もなんだかつまらなそうに相づちをうっている。
ほら、やっぱり私はつまらない奴で、残念な奴なんだと思い知らされる。
この距離もこの空気も全てが嫌になった私はゴミ袋を掴んで廊下を出た。
後ろから少し聞こえた「え、あ、」という戸惑った声に振り向きもせず勝手に独りでゴミ捨て場へ直行する私は心のない奴だ。
嫌だ嫌だ。こんな自分。
クラスメイトにも優しく対応できないなんて心底嫌な奴。
こんなんだから周りから一目置かれてるんだと思う。
誰も私に近寄ってこようともしない。
全ては自分がまいた種。
だから仕方ない。
小さなため息を1つすると肩を掴まれた。