叫べ、叫べ、大きく叫べ!

夕飯はまたカレーだ。


今日からこのカレーが無くなるまで食べ続けるのだと思うと今更なに考えたって変わりもしないから諦めるしかないのだけれど。


なかなか嫌いにはならない私は『またか』なんて思いながら黙々と口に運ぶ。


食卓は静かだ。

だって、私1人だけだから。


夕飯出来たの一声もなかった。
いつもならどんな時でも私を呼んでくれるのに。

妹からも何も呼ばれなかった。


でもそれは妹もしたくてそうしたわけじゃないことを私は分かっている。


こんなに虚しい食事は初めてかもしれない。



「…………」


こんな家に生まれたくなかった。
こんな家族になるなんて思わなかった。
こんなにも死にたいなんて……っ。


クソ。こんな家滅べばいい。私なんて生まれてこなければよかった……っ。


今になって都波と連絡先交換しておけばよかったなんて思う。


苦手、むしろ嫌いに近い人だけど、あの人懐っこい笑顔にどこか癒されている自分がいた。


そう思うと、とてつもなく誰かに寄り添いたくて、この苦しみを分かって欲しくて、でも聞いて欲しくなくて。


誰か、私をぎゅって、抱きしめてほしい。
もう泣きたくないから。
この涙止めてほしい。

止めてよ、誰か――。

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