time~元暴走族豊×キャバ嬢カナ~
「ナビしてくれる?」
「あぁ~うん。」
車のシートに背中を付けられたことだけでも、少し体が楽になる。
それにしても、宗が運転だなんて……
可笑しすぎる。
免許を持っていたっておかしくない年齢だし、男ならそのくらい当たり前のことなんだろうけど……
あたしにはやっぱり宗は高校生のままの宗で、違和感を感じる。
「そこの角を右。」
「了解。」
「次の信号を左。」
「おう。……ってこの辺、昔住んでた場所だろ?」
宗は運転をしながら、あたしの顔をチラチラと見る。
前向いて運転しろよって言ってやりたいとこだけど、今はそんな元気もない。
「偶然。この辺に住むことになった。」
「そっか。」
「あっ!ここ!」
窓からの景色をボーっと見ていたあたしは、うっかりマンションの前を通り越してしまった。
「えっ?どこ?」
「ごめん。さっき通り過ぎたマンション。」
あたしの大声にブレーキを踏んだ宗は後ろを見ながらバックをする。