time~元暴走族豊×キャバ嬢カナ~
「ご、ごめんなさい。」
お姉さんの旦那と関係のあったあたしは、文ちゃんから見れば敵のようなもの。
あたし達の関係を“愛人”と呼ぶ人だっているのだから……
「カナが謝る必要はないよ。俺がそう仕向けたというか……そうなることを望んでいたから。」
「文ちゃんの言っていることが全然わからない。」
文ちゃんが浅葱に愛人をつくるように仕向けたってこと?
あたしの頭の中は文ちゃんの言葉をリピートしながら爆発寸前。
「まずは俺の育った家の話をするよ。」
「……えっ?……う、ん。」
あたしは文ちゃんの言葉を聞く態勢に入る。
理解しなければ……と焦りのようなものを感じながら。