国王陛下は無垢な姫君を甘やかに寵愛する
ベッドの上で静かに眠るルチアをユリウスは見守っていた。
医師の見解は頭の怪我の後遺症の懸念もあり、少し様子を見ることとなったが、おそらく馬恐怖症のせいだと診断した。
ユリウスはルチアの馬恐怖症を考えていた。
「気を失うほど馬が怖かったのか……」
ユリウスはふと幼い姫が馬に突進された時のことを思い出す。
エレオノーラは無事だったのだが、助けようとした侍女が頭を蹴られて亡くなったことがあった。
大好きな侍女を目の前で亡くし、エレオノーラは1ヵ月間寝込んでしまったのだ。それから彼女は馬に近づかなくなった。
「潜在意識の中にあの時のことがあり、馬を怖がったのかもしれない」
やはりルチアが姫だと確信する。しかし、決定的なものがなければ大臣たちは納得しないだろう。
「ん……」
ルチアは数回頭を左右に動かしたのち、目を開けた。
「ルチア、気分は? 吐き気はないか?」
「わたし……」
心配そうなユリウスに、自分はなぜベッドで寝ているのだろうと考えてからハッとなる。
「馬が怖いそうだね? わたしが乗った馬のせいで意識を失ったんだ。いや、もしかしたら頭の怪我の後遺症もあるかもしれないから、しばらくベッドから出ないようにと医師が言っていた」
ルチアは身体を起こすと、ユリウスが背にクッションを置いてくれる。
「頭は痛くないから後遺症じゃないと思います」
市場でエラを連れ帰ったことが悲しく、それが尾を引いてそっけない態度になる。
「もう二度とこんなことはしないでくれ。エラは強引に街へ連れて行かれたと言っていた」
ユリウスの口調は優しかったが、誤解されてルチアは不満を募らせる。
自分も城を出たのだから、弁解の余地はない。それはわかっているが、エラの嘘を信じるユリウスが憎たらしい。
「アローラさんに黙って出て行ったのは悪かったけれど、わたしは姫ではないし、自由に街へ行ったっていいと思います」
思いがけないルチアの反撃にユリウスの双眸が大きく開く。
医師の見解は頭の怪我の後遺症の懸念もあり、少し様子を見ることとなったが、おそらく馬恐怖症のせいだと診断した。
ユリウスはルチアの馬恐怖症を考えていた。
「気を失うほど馬が怖かったのか……」
ユリウスはふと幼い姫が馬に突進された時のことを思い出す。
エレオノーラは無事だったのだが、助けようとした侍女が頭を蹴られて亡くなったことがあった。
大好きな侍女を目の前で亡くし、エレオノーラは1ヵ月間寝込んでしまったのだ。それから彼女は馬に近づかなくなった。
「潜在意識の中にあの時のことがあり、馬を怖がったのかもしれない」
やはりルチアが姫だと確信する。しかし、決定的なものがなければ大臣たちは納得しないだろう。
「ん……」
ルチアは数回頭を左右に動かしたのち、目を開けた。
「ルチア、気分は? 吐き気はないか?」
「わたし……」
心配そうなユリウスに、自分はなぜベッドで寝ているのだろうと考えてからハッとなる。
「馬が怖いそうだね? わたしが乗った馬のせいで意識を失ったんだ。いや、もしかしたら頭の怪我の後遺症もあるかもしれないから、しばらくベッドから出ないようにと医師が言っていた」
ルチアは身体を起こすと、ユリウスが背にクッションを置いてくれる。
「頭は痛くないから後遺症じゃないと思います」
市場でエラを連れ帰ったことが悲しく、それが尾を引いてそっけない態度になる。
「もう二度とこんなことはしないでくれ。エラは強引に街へ連れて行かれたと言っていた」
ユリウスの口調は優しかったが、誤解されてルチアは不満を募らせる。
自分も城を出たのだから、弁解の余地はない。それはわかっているが、エラの嘘を信じるユリウスが憎たらしい。
「アローラさんに黙って出て行ったのは悪かったけれど、わたしは姫ではないし、自由に街へ行ったっていいと思います」
思いがけないルチアの反撃にユリウスの双眸が大きく開く。