国王陛下は無垢な姫君を甘やかに寵愛する
「ひどく乗り出すから、君が落ちそうに見えたんだ。ほら、好きなだけ海を眺めるといい。わたしは君をこうして押さえているから」

「だ、大丈夫です。落ちませんから、腕を……」
 
まだアローラと侍女たちが食器を片付けている最中だ。アローラはともかく侍女たちの視線が気になってしまう。

「ダメだ。君が心配で仕方ないんだ」
 
ユリウスが首を横に振る。

「陛下、私どもはまたのちほど参ります」

「そうしてくれ」
 
気を利かせたアローラはユリウスに断ると、侍女らを連れて執務室を出て行った。

「アローラは実に気が利く」
 
彼女たちが出て行ったことにより、ルチアはユリウスにもっと身体が密着するように抱きしめられてしまった。

「侍女たちがびっくりしていました」

「当然だろうな。使用人の前でこんな風に女性にしたことは一度もない」
 
ルチアの後ろでひとつに結ばれた髪のせいで、華奢なうなじが露出している。

ユリウスは誘われるように、頭を落としうなじに唇をつけた。

「あっ……」
 
うなじにユリウスの唇が触れて、ルチアの身体がビクッと跳ねる。

「君がそばにいると、触れずにはいられない」

「ユリウスさま……ああっ……」
 
うなじにユリウスの舌を感じ、身体中に電流が走った感覚に襲われる。

「君はここが弱いらしい」

「だ、ダメです。やめてください……」

「嫌だ。それは……却下だ……」
 
ルチアを抱きしめる腕に力がこもる。

「海……が、見たい……の」
 
ユリウスの唇はルチアのうなじから頬や顎に移動していく。

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