国王陛下は無垢な姫君を甘やかに寵愛する
ユリウスの執務室で海を見てから、どうしても近くに行きたい衝動にかられたルチアはすぐに城に戻るつもりで部屋をこっそり出た。
城を出て行くとき、門番になにも問われず城を出られた。
戻ってきたときに城の中へ入れるかまでルチアは考えていない。ルチアの頭には執務室から見た海に行くことだけだった。
ドレスを持ち上げながら早歩きで森を抜け、一刻も早く海に着くよう休まずに進む。
一刻ほど歩き、森を抜けたルチアの目に海が映る。
「海だわ! 海っ!」
石段を駆け下りたルチアは海に近づく。砂浜はなく、石畳の道の先はすぐに慣れ親しんだ海だ。
そこに人は誰もいなかった。街から離れており、人はほとんど来ない。
(入りたい……)
ルチアは自分の姿を見下ろす。豪華なフリルたっぷりのドレスを着ている。
このまま入ったらドレスが邪魔で泳げないし、濡らしたくはなかった。海水に濡らしたらもう二度とこのドレスは着れなくなるだろう。
ルチアは海に入るのは思いとどまり、その場に座った。
(もうそろそろ城へ戻らなきゃ……アローラさんが心配しているかもしれない)
そう思ったとき、沖から小さな船がやってくるのが見えた。なにかを網で引っ張っている。
小さな船に乗っているのは3人の男たち。
どんどんルチアの方に近づいてくる船が引っ張る網の中を目を凝らす。
魚の漁の帰りかと思ったが、網の中でなにかが暴れているのが見えた。
(あれは……?)
ルチアが視線を逸らさず、じっと見ていると大きな背びれが網から覗かせた。
「イルカだわ! あの人たちはいったいなにをしようとしているの?」
船は石畳の側壁にぴったりとつけられた。
「どうしてイルカを捕まえたんですか!?」
「なんだ? この身なりのいい娘は」
ルチアが船の3人に向かって聞くと、思ったより若い男たちは鼻でバカにしたようにせせら笑う。
城を出て行くとき、門番になにも問われず城を出られた。
戻ってきたときに城の中へ入れるかまでルチアは考えていない。ルチアの頭には執務室から見た海に行くことだけだった。
ドレスを持ち上げながら早歩きで森を抜け、一刻も早く海に着くよう休まずに進む。
一刻ほど歩き、森を抜けたルチアの目に海が映る。
「海だわ! 海っ!」
石段を駆け下りたルチアは海に近づく。砂浜はなく、石畳の道の先はすぐに慣れ親しんだ海だ。
そこに人は誰もいなかった。街から離れており、人はほとんど来ない。
(入りたい……)
ルチアは自分の姿を見下ろす。豪華なフリルたっぷりのドレスを着ている。
このまま入ったらドレスが邪魔で泳げないし、濡らしたくはなかった。海水に濡らしたらもう二度とこのドレスは着れなくなるだろう。
ルチアは海に入るのは思いとどまり、その場に座った。
(もうそろそろ城へ戻らなきゃ……アローラさんが心配しているかもしれない)
そう思ったとき、沖から小さな船がやってくるのが見えた。なにかを網で引っ張っている。
小さな船に乗っているのは3人の男たち。
どんどんルチアの方に近づいてくる船が引っ張る網の中を目を凝らす。
魚の漁の帰りかと思ったが、網の中でなにかが暴れているのが見えた。
(あれは……?)
ルチアが視線を逸らさず、じっと見ていると大きな背びれが網から覗かせた。
「イルカだわ! あの人たちはいったいなにをしようとしているの?」
船は石畳の側壁にぴったりとつけられた。
「どうしてイルカを捕まえたんですか!?」
「なんだ? この身なりのいい娘は」
ルチアが船の3人に向かって聞くと、思ったより若い男たちは鼻でバカにしたようにせせら笑う。