国王陛下は無垢な姫君を甘やかに寵愛する
「歩いて……帰ります」
「アローラ! ルチアから目を離すな! 馬車へ乗せろ!」
ユリウスはアローラに命令すると、白馬に向かう。
ルチアは歩き出す前に、少し離れたところで海から顔を出すベニートを見る。
「ベニート! もう人には近づかないで! 島へ帰りなさい!」
ルチアはベニートに向かって叫んだ。
ベニートはルチアを見つめてから、陸とは反対方向へ泳いでいく。
(よかった……ベニートはわたしを追ってここまで来てしまったのね……)
「ルチアさん、参りましょう。陛下のあれほどのお怒りは見たことがありません」
「アローラさん、またご迷惑をかけてしまいました……」
落ち込むルチアにアローラは心の中でため息を吐く。
「陛下はルチアさんが心配で仕方ないのですよ」
ルチアは馬車の入り口でドレスの裾を手で絞り躊躇ったのち、中へ入った。
みるみるうちに、馬車の中は海水であっという間にびっしょりになる。
(馬車が対面式の椅子になっていてよかった)
塩水で喉をやられ痛みを感じていたルチアは目を閉じた。
城に戻るとすぐに、熱めの風呂に入り、身支度を済ませたとき、予告もなしに部屋の扉が乱暴に開いた。
いつものように一分の隙も無いユリウスが入って来たのだ。
美麗な顔はまだ怒りを含んでおり、昼食を一緒に過ごしたユリウスとは全く違う。
ルチアは彼の怒りに、ジリッと一歩後退する。
「姫の件が解決するまで、部屋から出るのを禁止する」
「そんな! どうして閉じ込めるのっ!?」
ルチアは横暴な決定に怒りを表す。
「まだわからないのか? もう少しで死ぬところだったんだ。もしくはあの男たちに捕まえられ、消息が掴めなくなっていたかもしれないんだ!」
「そうはならなかったわ!」
「それは幸運だったからだ。君の突拍子もない行動がわたしやアローラ、みんなを巻き込んでいるんだ」
ユリウスはルチアに近づくと、両腕を掴んで揺さぶる。
「アローラ! ルチアから目を離すな! 馬車へ乗せろ!」
ユリウスはアローラに命令すると、白馬に向かう。
ルチアは歩き出す前に、少し離れたところで海から顔を出すベニートを見る。
「ベニート! もう人には近づかないで! 島へ帰りなさい!」
ルチアはベニートに向かって叫んだ。
ベニートはルチアを見つめてから、陸とは反対方向へ泳いでいく。
(よかった……ベニートはわたしを追ってここまで来てしまったのね……)
「ルチアさん、参りましょう。陛下のあれほどのお怒りは見たことがありません」
「アローラさん、またご迷惑をかけてしまいました……」
落ち込むルチアにアローラは心の中でため息を吐く。
「陛下はルチアさんが心配で仕方ないのですよ」
ルチアは馬車の入り口でドレスの裾を手で絞り躊躇ったのち、中へ入った。
みるみるうちに、馬車の中は海水であっという間にびっしょりになる。
(馬車が対面式の椅子になっていてよかった)
塩水で喉をやられ痛みを感じていたルチアは目を閉じた。
城に戻るとすぐに、熱めの風呂に入り、身支度を済ませたとき、予告もなしに部屋の扉が乱暴に開いた。
いつものように一分の隙も無いユリウスが入って来たのだ。
美麗な顔はまだ怒りを含んでおり、昼食を一緒に過ごしたユリウスとは全く違う。
ルチアは彼の怒りに、ジリッと一歩後退する。
「姫の件が解決するまで、部屋から出るのを禁止する」
「そんな! どうして閉じ込めるのっ!?」
ルチアは横暴な決定に怒りを表す。
「まだわからないのか? もう少しで死ぬところだったんだ。もしくはあの男たちに捕まえられ、消息が掴めなくなっていたかもしれないんだ!」
「そうはならなかったわ!」
「それは幸運だったからだ。君の突拍子もない行動がわたしやアローラ、みんなを巻き込んでいるんだ」
ユリウスはルチアに近づくと、両腕を掴んで揺さぶる。