国王陛下は無垢な姫君を甘やかに寵愛する
「ルチア!」
裏門に待機していた二頭立ての馬車の横でジョシュが待っていた。
「ジョシュ! エラの実家へ連れて行って! エラ、すぐに戻るから! ユリウスさまに聞かれたらそう言ってね」
エラに念をおしたルチアはドレスを持ち上げて、馬車へ乗り込む。ジョシュもルチアの横に座ると扉が閉まり、馬車は走り出した。
その頃、最後の領主との謁見が終わったユリウスはジラルドとアローラと共に西棟の地下にある宝物庫に来ていた。
今日の謁見は5人ほどで比較的早くに終わった。
早く終わったのはユリウスの気が急いていたせいもある。
一刻も早く宝物庫へ確かめに来たかったのだ。早く見つかれば、昼食の時に朗報を知らせることが出来る。
代々から受け継がれてきた宝物庫には、常に五人の近衛兵が警備をしている。
そこへ連れてこられたふたりは意味がわからず、国王の言葉を待った。
「ルチアはエレオノーラだ。間違いないが、確たる証拠を見つけ出さなければならない」
「その自信はどこからくるのですか?」
ジラルドはユリウスを見てから数年ぶりの宝物庫の部屋に視線を移す。
数えきれないほどの金と宝石の装飾品などが、ガラスケースに入れられてある。そこに嵐の夜にルチアが祖母から渡されたサファイアのネックレスもあった。
ユリウスはいかにも自信ありげに笑う。
「王弟妃とエレオノーラを描いた絵がどこかにあるはずだ」
「絵ですか? それが証拠になるのですか?」
「ああ。わたしの記憶通りであれば、ルチアがエレオノーラだという証拠になる」
ユリウスは力強く、ふたりに向かって頷いた。
数多くの肖像画がある奥へと三人は進む。アローラはあくまでもふたりの会話に口をはさまず控えているが、肖像画の部屋ではあまりの多さに口を開いた。
「とてもたくさんありますね」
「ああ。以前はお抱え絵師がいて、たくさん描いてもらっていた」
王弟一家の海難事故から、描かれなくなった。ユリウスはこの件が落着したら、自分たちを描いてもらおうと心の中で思った。
裏門に待機していた二頭立ての馬車の横でジョシュが待っていた。
「ジョシュ! エラの実家へ連れて行って! エラ、すぐに戻るから! ユリウスさまに聞かれたらそう言ってね」
エラに念をおしたルチアはドレスを持ち上げて、馬車へ乗り込む。ジョシュもルチアの横に座ると扉が閉まり、馬車は走り出した。
その頃、最後の領主との謁見が終わったユリウスはジラルドとアローラと共に西棟の地下にある宝物庫に来ていた。
今日の謁見は5人ほどで比較的早くに終わった。
早く終わったのはユリウスの気が急いていたせいもある。
一刻も早く宝物庫へ確かめに来たかったのだ。早く見つかれば、昼食の時に朗報を知らせることが出来る。
代々から受け継がれてきた宝物庫には、常に五人の近衛兵が警備をしている。
そこへ連れてこられたふたりは意味がわからず、国王の言葉を待った。
「ルチアはエレオノーラだ。間違いないが、確たる証拠を見つけ出さなければならない」
「その自信はどこからくるのですか?」
ジラルドはユリウスを見てから数年ぶりの宝物庫の部屋に視線を移す。
数えきれないほどの金と宝石の装飾品などが、ガラスケースに入れられてある。そこに嵐の夜にルチアが祖母から渡されたサファイアのネックレスもあった。
ユリウスはいかにも自信ありげに笑う。
「王弟妃とエレオノーラを描いた絵がどこかにあるはずだ」
「絵ですか? それが証拠になるのですか?」
「ああ。わたしの記憶通りであれば、ルチアがエレオノーラだという証拠になる」
ユリウスは力強く、ふたりに向かって頷いた。
数多くの肖像画がある奥へと三人は進む。アローラはあくまでもふたりの会話に口をはさまず控えているが、肖像画の部屋ではあまりの多さに口を開いた。
「とてもたくさんありますね」
「ああ。以前はお抱え絵師がいて、たくさん描いてもらっていた」
王弟一家の海難事故から、描かれなくなった。ユリウスはこの件が落着したら、自分たちを描いてもらおうと心の中で思った。