国王陛下は無垢な姫君を甘やかに寵愛する
「ユリウスさま!」
大広間の入り口に姿を見せたユリウスの元に、ジラルドが足早にやって来る。
「エラは?」
「部屋にいなかった。どこにいるのかわからない。こちらはなにかわかったか?」
大広間には近衛隊長がいた。
「はい。確信はありませんが、ラーヴァの港から正午前にカタリナ号が出航したと」
「出航の許可は出していない。いったい誰が……?」
ユリウスはジラルドからジョシュに視線を移す。頭に布を巻いたジョシュは膝を抱えて考え込んでいる様子だ。
「もしかしたら!?」
突然、ジョシュは立ち上がる。乱暴に立ち上がったせいで、頭の傷がズキンと痛む。
「陛下! 頭をなにかで殴られ、意識をなくすとき、命令する声がどこかで聞いた声だったんです」
「それは誰だ!?」
ジラルドはジョシュに詰め寄る。
「それが……」
そこまではわからないようで、ジョシュの視線が伏せられる。
「ジラルド、わかってきた。この男が、聞き覚えがあり、カタリナ号を出向させられる者が」
「ああっ! バレージですね! そう言えばアローラが夜会でバレージがルチアさまに気がかりな言葉を言っていたと」
「気がかりな言葉?」
ユリウスの声色が更に低く、鋭くなる。
「はい。街で暮らしたくなったら俺のところへ来いと。ルチアさまに気があるようだとアローラは言っていました。ただ、いったい船でどこへ……」
「海は広い……あてもなく探し回れば燃料がなくなってしまう……」
ユリウスとジラルドが頭を悩ませていると、なにか思い出したようなジョシュが口を開いた。
大広間の入り口に姿を見せたユリウスの元に、ジラルドが足早にやって来る。
「エラは?」
「部屋にいなかった。どこにいるのかわからない。こちらはなにかわかったか?」
大広間には近衛隊長がいた。
「はい。確信はありませんが、ラーヴァの港から正午前にカタリナ号が出航したと」
「出航の許可は出していない。いったい誰が……?」
ユリウスはジラルドからジョシュに視線を移す。頭に布を巻いたジョシュは膝を抱えて考え込んでいる様子だ。
「もしかしたら!?」
突然、ジョシュは立ち上がる。乱暴に立ち上がったせいで、頭の傷がズキンと痛む。
「陛下! 頭をなにかで殴られ、意識をなくすとき、命令する声がどこかで聞いた声だったんです」
「それは誰だ!?」
ジラルドはジョシュに詰め寄る。
「それが……」
そこまではわからないようで、ジョシュの視線が伏せられる。
「ジラルド、わかってきた。この男が、聞き覚えがあり、カタリナ号を出向させられる者が」
「ああっ! バレージですね! そう言えばアローラが夜会でバレージがルチアさまに気がかりな言葉を言っていたと」
「気がかりな言葉?」
ユリウスの声色が更に低く、鋭くなる。
「はい。街で暮らしたくなったら俺のところへ来いと。ルチアさまに気があるようだとアローラは言っていました。ただ、いったい船でどこへ……」
「海は広い……あてもなく探し回れば燃料がなくなってしまう……」
ユリウスとジラルドが頭を悩ませていると、なにか思い出したようなジョシュが口を開いた。