国王陛下は無垢な姫君を甘やかに寵愛する
「さっきの揺れはなに?」
先ほどとは違う余裕のないバレージに、やはりなにかあったのかと、大きな背中を見ながら付いて行く。
そしてまた大きく船体が揺れて、ルチアとバレージは壁に身体を打ちつけた。
「くそう……」
ルチアはヨロヨロと立ち上がる。
「いったいどうしたの!?」
ルチアは打った肩を擦る。そして拳を壁にぶつけて怒りをあらわにするバレージに驚く。
「お前の愛しい国王がやってきたんだ。くそっ! こんなに早く追いつかれるとは思わなかった!」
「ユリウスさまがっ!?」
「来い! お前が人質ならば手を出せないだろう」
眉間にしわを寄せた険しい顔のバレージは、ルチアの手首を強く握り引っ張る。
「そんな! 逃げられないわ! 今なら罪は軽いわ。わたしを放して!」
「お前を誘拐しておいて罪が軽い? 国王は決して許さないだろう」
ルチアを誘拐しただけではなく、敵国に寝返ってもいる。
「わたしは国王を殺して、お前と暮らす」
「なんてことをっ!? そんなことやめて!」
ルチアはバレージに引っ張られながら階段を上がり、甲板に出た。彼女の目に剣を持ったユリウスが映る。
ユリウスは怒りに燃えた目をバレージに向けている。凄まじい顔をルチアは初めて見る。
「ルチア! 大丈夫か!?」
「ユリウスさまっ!」
少しでも近づきたくて、ユリウスの方へ行こうとするルチアの身体がググッと引き戻される。
「離して!」
ルチアとユリウスの距離は手を伸ばしても届かない。
ユリウスは帆船のほぼ先端におり、バレージがルチアを拘束して立っているのは船の真ん中。距離は遠い。
先ほどとは違う余裕のないバレージに、やはりなにかあったのかと、大きな背中を見ながら付いて行く。
そしてまた大きく船体が揺れて、ルチアとバレージは壁に身体を打ちつけた。
「くそう……」
ルチアはヨロヨロと立ち上がる。
「いったいどうしたの!?」
ルチアは打った肩を擦る。そして拳を壁にぶつけて怒りをあらわにするバレージに驚く。
「お前の愛しい国王がやってきたんだ。くそっ! こんなに早く追いつかれるとは思わなかった!」
「ユリウスさまがっ!?」
「来い! お前が人質ならば手を出せないだろう」
眉間にしわを寄せた険しい顔のバレージは、ルチアの手首を強く握り引っ張る。
「そんな! 逃げられないわ! 今なら罪は軽いわ。わたしを放して!」
「お前を誘拐しておいて罪が軽い? 国王は決して許さないだろう」
ルチアを誘拐しただけではなく、敵国に寝返ってもいる。
「わたしは国王を殺して、お前と暮らす」
「なんてことをっ!? そんなことやめて!」
ルチアはバレージに引っ張られながら階段を上がり、甲板に出た。彼女の目に剣を持ったユリウスが映る。
ユリウスは怒りに燃えた目をバレージに向けている。凄まじい顔をルチアは初めて見る。
「ルチア! 大丈夫か!?」
「ユリウスさまっ!」
少しでも近づきたくて、ユリウスの方へ行こうとするルチアの身体がググッと引き戻される。
「離して!」
ルチアとユリウスの距離は手を伸ばしても届かない。
ユリウスは帆船のほぼ先端におり、バレージがルチアを拘束して立っているのは船の真ん中。距離は遠い。