国王陛下は無垢な姫君を甘やかに寵愛する
「国王! 軍神と呼ばれる国王ならサメにも勝てるだろう。戦いに勝ったら娘を手放そう」

「なにを言ってるの!? やめて!」
 
ルチアは大きく首を横に振る。

「その約束絶対だな?」
 
ユリウスはバレージに静かに問いかける。

「ユリウスさま、やめてください! バレージの言いなりになる必要はありません!」
 
ジラルドが必死に止める。

「そうです! 海へ入ったら奴らの餌食になります!」
 
ジョシュも懸命に止めようとする。

(ユリウスさまは本気……海に入ったら……)
 
ルチアはそのシーンを浮かべてしまうと、心臓が鷲掴みにされたように痛んだ。

「ユリウスさまはいなくてはならない人です!」
 
ルチアは自分の手を掴んでいたバレージの手を噛んだ。バレージの力が緩んだすきにルチアは海へ飛び込んだ。
 
誰もが一瞬のことで、愕然となる。

「ルチア――!!」
 
ユリウスは海に落ちたルチアの元へ飛び込もうとしたが、ジラルドに押さえられる。

「くそっ! 放せ!」

「バレージを捕まえましょう! ルチアさまの願いです」
 
ジラルドはユリウスの剣を拾って渡した。その刹那、バレージの部下が大勢で3人に襲って来た。


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